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浜岡原発廃炉検討中
 先月末、上野の水上音楽堂で開催されたNo nukes more heartsで、京大の小出先生がおっしゃっていた。
曰く「元々軍事目的(原爆用プルトニウムの製造)で設計・開発された原子炉は、そもそも経済性など考慮されていない。だから、今後は縮小していくことが必然で、我々が注力すべきは、新しい原発を建設させないことだ」
 今日、まさにそれを予感させるニュースが報道された。

以下、Yahoo! japanのニュース、毎日新聞の報道。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000007-maip-soci

浜岡原発 原告団「中電、世論に負けた」 廃炉検討

12月13日12時24分配信 毎日新聞

 東海地震の想定震源域の真上に位置する浜岡原発(静岡県御前崎市)。安全性を強調してきた中部電力が一転して1、2号機の廃炉を検討していたことが明らかになった13日、関係者はさまざまな表情を見せた。運転差し止めを求める訴訟の原告団は一定の評価を示しつつも、6号機の建設計画に反発。地元自治体は戸惑い、あるいは冷静に受け止めるなど反応が分かれた。中電の対応は、安全性を争う他の原発の関係者たちの注目も集めた。

 浜岡原発差し止め訴訟の原告団共同代表、白鳥良香さん(76)は「驚いたが、裁判も含め中電側が原発への不安を訴える世論の力に負けたということ。東海地震が起きた時の危険性を中電側が認めたということではないか」と話す。

 控訴審への影響について、白鳥共同代表は「高裁は、中電が廃炉を決めれば1、2号機について審理しないことを勧めると思う。だが、中電側が『絶対安全』と主張してきた1、2号機の危険性については今後も争っていく。6号機建設なんてとんでもないことだ」と話した。【望月和美】

 ◇地元自治体は反応さまざま

 原発が立地する地元自治体は、中電の検討内容を聞かされておらず、反応はさまざまだ。

 静岡県御前崎市の石原茂雄市長は「廃炉のことは中部電力からまったく聞いていない。なぜこんな話が出るのか。6号機の新設を求める声が地元の活性化を求める住民の一部にあることは承知している。しかし1、2号機が廃炉となれば話は別だ。筋道を立てた議論が必要だ」と語った。

 御前崎市に隣接し、共同して原発対策にあたる「地元4市」の一つ、牧之原市の西原茂樹市長は「初めて知った。1、2号機は老朽化していることもあり方向として廃炉は良いと思う。6号機の新設も前からシナリオはあったと思う。驚いていない」。掛川市の戸塚進也市長は「正式な話は聞いておらず驚いている」と語ったが、「1、2号機は長く止まったままなので世間で心配する声もある。個人的には廃炉を検討するべき時期だと考えている」と評価した。

 ◇「当然、遅すぎた」

 石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)の話 老朽化し、既に長く運転が停止している1、2号機は廃炉が当然で、中部電力の決定は遅すぎたと思う。浜岡原発は、マグニチュード8クラスの東海地震の想定震源域の真上にあり、地球上で最も危険な場所にある。新たに6号機を建設するなどとんでもないことで、3、4、5号機と順番に廃炉にしていくのが望ましい。国の原発立地審査指針には「大きな事故の誘因となる事象が過去になく、将来も考えられないこと」とあり、国は6号機の申請は門前払いにすべきだ。

 ◇「新炉は合理的」

 宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子力工学)の話 賢明な判断だ。運転開始からともに30年を経た1、2号機に多額の費用を費やして耐震工事をするよりも、新炉を建設した方が安全面でも電力会社の経営面でも合理的だ。原子力の経済的優位性は確立されたと言ってよく、古い炉を使い続けるより、新炉を建設した方が将来の電力の安定供給も見込める。今回の方針は、他の老朽化した原発にも影響を与える可能性があり、今後の推移を注視したい。

 ◇柏崎刈羽原発訴訟原告には「有利」

 昨年7月の新潟県中越沖地震でトラブルが相次いだ東京電力柏崎刈羽原発の訴訟にも影響を与えそうだ。

 同原発を巡っては79年、周辺住民らが1号機の設置許可取り消しを国に求めて提訴。1審(94年)、2審(05年)とも住民側が敗訴したが、中越沖地震で国の断層調査の不十分さが明らかになったとして最高裁に上告している。

 原告代理人の和田光弘弁護士は「柏崎刈羽原発1号機も運転を開始して23年。もし廃炉にするなら原告にとっては有利に働くだろう」と話した。また原告の一人、矢部忠夫柏崎市議は「運転停止が長期化し、老朽化していることも考えれば、それしか方法はない。一定の評価はする」と述べた。ただ「6号機を建てるとなると話はまったく違う。東海地震の震源域に原発を建てることは無謀で、正気のさたではない」と批判した。【五十嵐和大】

 ただし、ここで問題なのは原発の廃炉の技術が未完成であるということ。
 原子炉のコアの部分は、それ自体が放射性廃棄物であり、通常のプラントの解体工事のように人間が重機を使って直接解体作業をするわけにはいかないし、高度に汚染されたプラントは、通常の産廃のように野積みにはできない。解体されたプラントの廃棄物は、すなわちそれ自体が放射能を放出し続けるのだ。
 放射性物質には半減期と呼ばれる指標がある。放射性同位体は放射線を出しながら次第に安定な核種に変化し、その放射性核種の数が半分になるまでの時間を半減期と呼ぶのだが、詳しくはウィキにリンクを張っておくのでそちらを参照して欲しい
※ここでいう半減期とは物理半減期のことであり、生物半減期については含まれない。

 例えばコバルト60の半減期は5.3年。つまり5.3年経過すると、コバルト60が出す放射線量は半分になる。さらに5.3年経つとさらに半分に、また5.3年経つとそのまた半分にと減っていって、53年経過すると1/1024になる。
 日本の原子力技術の指標として、半減期の10倍の期間が経過して、放射能がおよそ1/1000になったところで無力化されたことにするという取り決めがある。問題は、53年程度なら何とかなるかもしれないが、例えばセシウム137の半減期はおよそ30年。これが無力化されるまでに300年の年月を要する。ひとくちに300年管理し続けるといっても、それが容易でない事は誰しも想像できる。300年前にはアメリカ合衆国はなかったし、日本は元禄時代の末期から宝永時代に移行するあたり。当時の人間が現代を予想して政治を司ったとは思えないし、この300年の間に我々は多くの戦争と自然災害に見舞われている。多くの国が栄えては滅んだ。老舗の料亭だの伝統工芸だのは別として、ひとつの企業が300年間、その状態を維持し続けることなど無理なのだ。
 民間企業に過ぎない電力会社が、300年後に存続しているかどうかなど誰にも分からない。経営悪化で破綻、解体ということだって考えられる。そうなったとき、最終的には我々の税金で政府が管理するしかなくなるのだけれど、さぁ300年後に、この日本という国が存在しているかどうか。政権を握っているのは、まともな思考を持った政党なのかどうか。
 それに半減期が30年なんて大したことがない。プルトニウム239の半減期なんて2400万年もある。2400万年前と言えば地球は中新世。その10倍、2億4000万年前は三畳紀。超大陸パンゲアがゴンドワナとヨーラシアに分かれ始めた頃だ(笑。来週の天気さえ満足に予想できないのに、2億4000万年後の世界に責任を持つなんて、端からできもしない事をやるというあたりで、電力会社もこの国の政府も御用学者も三流詐欺師に他ならない。

 先月、パシフィコ横浜で開催された第十回図書館総合展に行ってきた。
 本来の目的とは別に、気になるブースを発見。JAEA 独立行政法人 日本原子力研究開発機構(http://www.jaea.go.jp/)の展示だ。
 無料で配布されていた資料を改めて読み返してみると、例えばガラス固化体を製造するためのガラス溶融炉の設計寿命などは、現状では5年間とされている。これは溶融炉内の壁材が、高温(約1150℃)のガラスで徐々に浸食されるためであるが、これを長寿命化するため、炉を冷却ジャケットで覆い、低温高粘性流体層を形成して壁材の延命を図るとある。さらには、これに加えて、粒子状物質の堆積抑制機能の高度化を図ると。つまりは成熟した技術とはほど遠い、生成物質のコントロールをどうするかという段階だという事が読み取れる。六ヶ所村再処理施設でのアクティブ試験で失敗したガラス固化行程のトラブルだが、そもそもガラス固化体を生成する事自体が、まだ実験段階の未完成の技術なのだ。
 考古学的遺跡から金属の長期腐食挙動を研究したり、放射能の無力化促進の研究をしたりと、非常に興味深い仕事をしていることは分かった。分かったのだけれど、未完成の技術の前に、我々と子々孫々の命を差し出す契約など、少なくとも僕は東京電力との間に結んだ記憶がないし、これから先も契約するつもりもない。
 人類を滅亡させる核兵器は完成された技術だ。何度でも間違いなく我々を滅亡させる事ができるだろう。けれど、その材料を生み出す原子炉と、廃棄物処理、管理については未完成なのだ。ましてや核の平和利用など、欺瞞以外の何者でもない。
※「未来を拓く原子力 2008」と題された小冊子は、なかなかに興味深い資料です。JAEAのサイトでは全てのページがPDFでダウンロードできますので、一読をオススメします。http://jolisfukyu.tokai-sc.jaea.go.jp/fukyu/mirai/2008/index.html

 さて、先に挙げたニュースの中で、気になる点がひとつ。

 ◇「新炉は合理的」

 宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子力工学)の話 賢明な判断だ。運転開始からともに30年を経た1、2号機に多額の費用を費やして耐震工事をするよりも、新炉を建設した方が安全面でも電力会社の経営面でも合理的だ。原子力の経済的優位性は確立されたと言ってよく、古い炉を使い続けるより、新炉を建設した方が将来の電力の安定供給も見込める。今回の方針は、他の老朽化した原発にも影響を与える可能性があり、今後の推移を注視したい。


 「原子力の経済的優位性は確立されたと言ってよく」とあるが、何故そう言えるのか。何と比較して優位なのか。
 昨年のエネルギー・環境フォーラムでは「石油もウランも資源に限度がある」とおっしゃていたのだが、枯渇が予想されるという点で化石燃料とウランに違いはないわけで、それよりも採掘から燃料棒への加工に加え、使用済み燃料の処理と管理を考えたら、逆立ちしたって経済的だなどとは言えない。それに、廃炉の技術が確立されていない以上、浜岡原発の1号炉、2号炉に耐震工事の必要がないとは、現時点では言い切れない。素人でも分かるような論理破綻だ。

 僕たちに必要なのは、浜岡原発に新たに建設する6号炉ではない。
より少ないエネルギーで効率よく暮らす技術と、マインドの転換だ。
| 反核 | 02:11 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
普通に考えて省エネの技術がどんどん発達してたり、この夏も原発使わないで越せたし、何でこれ以上作ろうとするんだろう??化石燃料は減っていくからだとは思うけど、自然のエネルギー開発もっとやってほしいですね。
来年電気とガス代が上がるので、なるべく使わない方法考え中です。
| とま | 2008/12/14 4:12 PM |
何故原発を作りたがるのか、と言えば、それは「儲かるから」の一言に尽きます。
国策故の補助金・助成金の類。消費者が電力の購入先を選べない以上、どれほど高額になろうとも我々は電気料金を払い続ける。


>来年電気とガス代が上がるので、なるべく使わない

これ、大きな間違いです。
電気代とガス代が今よりも安くなったとしても、できるだけ使わないで豊かに暮らす方法を創造する。
これが僕らのチョイス。
| 大塚屋 | 2008/12/14 9:16 PM |









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